新・日本名木100選
御浜町阿田和の大クス
選定趣旨(目的)・説明
1990年(平成2年)大阪で開催された「国際花と緑の博覧会」(通称:花の万博)の協賛を兼ね、読売新聞社と国際花と緑の博覧会が全国から100の名木を選定。
南牟婁郡御浜町の『阿田和の大クス』は『引作(ひきつくり)の大楠』とも呼ばれ、推定樹齢1500年余、幹周り15.7m、三重県最大の巨木である。
この楠木は明治政府の神社統一政策のため、明治44年にこの付近の樹木と共に切り倒される運命にあった。
これを知った和歌山県が生んだ世界的な博物学者で自然保護運動の先駆者といわれている南方熊楠(1867〜1941)が保護に立ち上がり、民俗学者の柳田国男(1875〜1962)の心をも動かすところとなり、伐採が阻止された。
この大楠を側で眺めると、大樹の大きなエネルギーを感じると共に南方熊楠の自然に対する熱い想いが伝わってくる。
・選定機関(者)
読売新聞社/(財)国際花と緑の博覧会協会
・選定年
1990年(平成2年)
日本の渚百選
熊野市・御浜町・紀宝町七里御浜
選定趣旨(目的)・説明
「海の日」(7月21日)が国民の祝日として制定されたことを記念し、海や海浜の大切さを広く知ってもらおうと、大日本水産会などで作られた選定委員会が選定した。
『七里御浜』は熊野灘に面し、熊野市の鬼ヶ城から御浜町を経て紀宝町の熊野川河口までのおよそ22kmの美しい石浜(砂利石)の海岸で、吉野熊野国立公園の中にある。アオウミガメの産卵地としてもよく知られ、紀宝町を中心にさまざまな保護活動が行われている。また浜沿いの松林の中には和歌山県の新宮をめざした「浜街道」がある。
この七里御浜は、三重・奈良・和歌山の三県に広がる「紀伊山地の霊場と参詣道」の中の世界遺産に登録されている他、「日本の自然100選」及び「日本の白砂青松100選」にも選定されている。
・選定機関(者)
「日本の渚・中央委員会」(大日本水産会など)
・選定年
1996年(平成8年)
にっぽん心の仏像100選
熊野市新日本旅行地百選
鬼ヶ城(熊野市)
瀞峡(熊野市)
大台ヶ原(大台町)
選定趣旨(目的)・説明
日本交通公社(現JTB)が発行する雑誌「旅」の創刊40周年記念として、日本の優れた観光旅行地100を選定。
熊野市の『鬼ケ城』は、熊野灘の荒波に削られた大小無数の海食洞が、地震による隆起によって階段状に並び、熊野灘に面しておよそ1km続いている。国の名勝天然記念物でもある。
『瀞峡(どろきょう)』は熊野川の支流、北山川の熊野市紀和町と和歌山県新宮市熊野川町(新宮市の飛地)の境界の峡谷にある。両岸は20〜50の断崖で、川幅は100m前後、水深はおよそ20m、両岸には奇岩が多く深淵が続く。国の名勝天然記念物に指定されていて、吉野熊野国立公園の中でも特に美しいところである。
和歌山県新宮市熊野川町の志古(しこ)からウォータージェット船が運行されている。
『大台ケ原山』は、奈良県吉野郡と三重県多気郡大台町に跨る(またがる)山で、標高1,694.9m(日出ケ岳)。三重県の最高峰でもある。頂上付近は平坦な山がいくつか集中していて『大台ケ原』と呼ばれている。
世界的に見ても多雨地帯として知られており、年間総雨量は4,000mを超える。1日の降雨量が1,000mm近くになったこともある。
※熊野川...熊野川は、奈良県、和歌山県及び三重県を流れ和歌山県新宮市で熊野灘に注ぐ。延長183kmの一級河川。北山川は熊野川の支流である。熊野市紀和町の小舟地内から下流の南牟婁郡紀宝町の鮒田地内までの間は、世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」の川の参詣道として遺産登録されている。
※北山川...北山川は熊野川の支流で、流域は熊野市紀和町、和歌山県熊野川町(新宮市の飛地)、和歌山県東牟婁郡北山村(和歌山県の飛地)、奈良県吉野郡である。新宮市熊野川町で本流に合流、新宮市で熊野灘に注ぐ。
日本有数の多雨地域である大台山系を源流域としている。豪雨と急流により削られた渓谷が続き、澄んだ水が流れる。
・選定機関(者)
旅行雑誌「旅」(JTB発行)
・選定年
1966年(昭和41年)
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